狼を甘くするためのレシピ〜*
「彼へのプレゼント?」

「いえ、自分用のイヤリングを。あまり高価なものは買えませんが」

「ちょうどいいのがあるわ」

 今日は平日の水曜日だ。
 品物を選びながら「お休みなの?」と聞くと、紗空は「はい。有給休暇の消化です。ひとりで映画を見てきたんですよ」と言う。

 聞けば、今夜は予定がないという。
 これから気の向くまま服でも見て帰るところだと。

 それを聞いて、蘭々の胸は弾んだ。
 渡りに船とはこのことである。

「紗空ちゃん、ちょっと私につきあってくれる?」

「はい! もちろん」

 ――やったー!

 紗空を待たせないで済むよう、蘭々が店を出る時に連絡をすることにした。
 待ち合わせ場所は、ケイが待つカフェの近くの広場。

「ありがとうございました」

 紗空を見送りながら、ホッと胸を撫で下ろす。
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