狼を甘くするためのレシピ〜*
 時計を見れば六時半。
 アキ用のスマートホンを見たが、ケイから念を押す連絡はない。
 そんなところにもまた少しムカついた。

 ゴミ箱に紙くずを捨てながら、ふと思う。
 ケイは女の扱いに慣れているようだが、このゴミのようにあっさりと女を捨てる男なのではないだろうか。

 例えば仁のように。

『もしお前が来たら、これをプレゼントするよ』

 ネックレスをくれると言っていたけれど、行かなければどうなるのだろう。

 ――別の女の手に渡るのだろうか?

 なんだか悔しい気もするが、それならそれで構わないと思った。
 値段とかそういう問題ではなく、その程度の気持ちで買ったのだとしたら欲しくはない。

 ただ彼が時計を見ながら三十分以上待ってくれたなら、それはそれでちょっと可哀想だとも思う。
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