狼を甘くするためのレシピ〜*
『カフェを出ました。これから燎さん仁さんと三人で赤坂に向かいます。 紗空』

『連絡ありがとう』と返信する。

 次はと少し迷ったが、手にとったのはアキのスマートホンだった。

 ケイからも、電話ではなくメッセージである。

『あとどれくらい待てばいいんだよ』

 思わずクスッと笑う。

 電話ではなくメッセージを送ってきたところをみると、まだ店の中にいるということなのだろう。

 そのまま返信を送る。

『行けるって言ってないし、そっちも気にするなって言ってたし』

『ったく。せっかく友達の誘いを断ったんだから付き合え』

『ひとりなの?』

『ああ、もちろんひとりだよ』

『わかった。かわいそうだから付き合ってあげる。あと五分待って』

 込み上げる嬉しさに気づかぬふりをして、まったくもぉと文句を言いながらスマートホンをバッグにしまう。

 最後に本当の自分の電話であるスマートホンを取り、仁に電話をかけた。

「もしもし、仁? ごめんなさい、着信に気づかなかったわ」
< 144 / 277 >

この作品をシェア

pagetop