狼を甘くするためのレシピ〜*
「リモコンで曇りガラスにできるから安心しろ」
 ケイはクックと笑う。

 使う機会はないのでご心配なく!そう意味を込めてキリキリと睨んだ。

「天空の部屋みたいね」
 成功者の証とも言うべきか。

「まぁな。でも田舎の家は星が見渡せる。ここではあの星空は見えない。一長一短だ」

 いつの間にかテーブルには冷やされたワインとグラス、それにチーズやサラミなどの皿が並んでいる。

 本当は、私がやります!とか言った方が可愛いのだろうと思ったが、なんとなく可愛くはなりたくなかった。

「はい」と渡されたグラスを手にとり、ワインを注いでもらう。

「ありがと」

 既にレストランバーで、何杯か飲んでいる。
 この一杯を飲んだら早々に帰ろうと思いながら、せめてケイのワインを注ぐくらいはしてあげようと手を伸ばした。

「サンキュー。じゃあ、ようこそ俺の部屋へ、乾杯」

 クスッ。

「お招きありがとう。乾杯」
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