狼を甘くするためのレシピ〜*

 二度目のキスは、逃れようのない熱いキスだった。

 ふかふかのラグに押し倒されて、その間も絶え間なくケイの唇は追いかけてくる。

「言っただろ?それ以上キレイにするなって」

「ケイ……」

「お前は、会うたびに綺麗になるな」

「――気のせいよ」

 ――違う。
 気のせいじゃない。
 あなたにはやっぱりキレイだって言われたいの

 三度目の長いキスを受け入れながら、突き放せない自分であることが何故だか悲しくなった。

 ワンピースの裾をたくし上げるように、ケイの指先が滑る。

 その度に胸がドキッと、弾ける。

 ストッキングに伸びた指先が、直接肌に触れた時、強く瞼を閉じた。

 ふいに思い出す仁の言葉。

『万が一その友達がその一夜のことで傷ついているのなら、言ってやれ。抱かれたんじゃない自分から抱いたんだ。そう思えば乗り越えられると思うぞ』

 ――そうよ、私は抱かれたんじゃない。ケイを抱くの。

 そう言い聞かせて、力任せにケイを押し倒した。
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