狼を甘くするためのレシピ〜*
 明日明後日の予定は出来たが、それでもまだ足りない。
 今夜はひとりでいたくなかった。

 蘭々はスマートホンを手に取って、また電話をかける。

『はい。もしもし、蘭々?』

「衣夢、泊まりに行っていい?」

『あはは、突然ね。オッケー、来て来て。明日は私も休みだから』

 ――これで大丈夫。

 こうやって時間を埋めていくうちに、乗り越えられる。

 蘭々は自分にそう言い聞かせた。



「はーい。いらっしゃい」
 笑顔で蘭々を出迎るのは、元モデル時代の時からの親友、衣夢。

「おじゃまします」

 蘭々が彼女のマンションにこうして来るのは、数か月ぶりのことだった。

 少し懐かしい思いで部屋を見渡すが、変わってはいない。
 センスのいい家具が必要最小限にあるだけのスッキリとした部屋は、衣夢の人となりを表している。
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