狼を甘くするためのレシピ〜*
「はい。お土産。ロカボナッツね。それとワイン」

「サンキュー」

「うわ、なにこれすごい。手作り?」
 テーブルにはローストビーフや、魚介のマリネ。色とりどりのサラダが並んでいる。

「そうよ」

「キヌアのサラダもある! 衣夢、料理の腕が上がったわね。エライわー。私なんかすっかり母任せで料理をした記憶がないもの」

 女子としてはどうなのか?とは思うが、どうせ結婚の予定もないし。と、心の中で不貞腐れた。

「まぁね、何しろ最近暇だから。沢山召し上がれ」

 それはなにも仕事が暇ということではない。衣夢はモデルとして変わらずに活躍しているのだから、暇なのはあくまでプライベートが、ということだ。

「ふふ、久しぶりでうれしい」

「ほーんと」

 蘭々が現役のモデル時代から、ふたりはこうしてどちらかの家で会うことが多かった。
 自分の家というこの空間なら、人目を気にせず言いたいことを言えるし、緊張を忘れて寛ぐことができる。

 明日はふたりとも休みだ。二日酔いになるほど飲んでも問題はない。
 早速ワインを開けて乾杯した。
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