狼を甘くするためのレシピ〜*
 こののんびりとした穏やかな田舎の空気に、溶け込んでしまいそうだと思いながら本をバッグにしまうと、スマートホンのLEDランプが目にとまった。

 SNSのメッセージが届いている。

 モデル仲間の友人、衣夢(えむ)からだった。

『はーい蘭々。どう? 普通の女子になって楽しい?』

 クスッと笑って、少し考えてから蘭々は返事を打った。

『楽しいわよ。もちろん。老けメイクをして公園で日向ぼっこ中』
その場で自撮りをして写真を添付すると、爆笑するスタンプが返ってきた。

 モデルを辞めると最初に告白した友人は、彼女である。
 告白した時、衣夢に聞いてみた。

『衣夢は? ずっと続けるの?この仕事』

『そうね、とりあえず仕事があるうちは続ける』
 彼女はそう答え、シニア雑誌の表紙を飾れるかなぁと笑った。
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