狼を甘くするためのレシピ〜*
「いらっしゃいませー」
元気のいい掛け声とともにガラガラと店の扉を開けて入った焼きとり屋は、カウンターの他にテーブル席が三つしかない小さな店だった。
大きな音で懐メロがかかっている賑やかな店内だが、幸いなことにまだ席が空いている。
「空いている席にどうぞ」と店員が声を張り上げた。
手近な席の椅子をひき、男が「どうぞ」と蘭々を促す。
「ありがとう。どうぞ、好きなの頼んでくださいね」
「じゃ遠慮なく。とりあえず生チュウ。あんたは?」
「同じでいいわ」と答えながら、またひとつ小さな初体験にハッとする。
今、彼は『あんた』と言った。
そういえばバッテリーを直してくれている時も、この男に『あんた』と言われたような気がする。
男性からそんな風に呼ばれたのは初めてのことだ。些細な事だけれども、なんというか、ちょっといい響きだと思った。
とりあえず焼きとりの盛り合わせと、自分が食べたいサラダや他にいくつかを適当に頼む。
「あんた名前は? 俺はケイ」
元気のいい掛け声とともにガラガラと店の扉を開けて入った焼きとり屋は、カウンターの他にテーブル席が三つしかない小さな店だった。
大きな音で懐メロがかかっている賑やかな店内だが、幸いなことにまだ席が空いている。
「空いている席にどうぞ」と店員が声を張り上げた。
手近な席の椅子をひき、男が「どうぞ」と蘭々を促す。
「ありがとう。どうぞ、好きなの頼んでくださいね」
「じゃ遠慮なく。とりあえず生チュウ。あんたは?」
「同じでいいわ」と答えながら、またひとつ小さな初体験にハッとする。
今、彼は『あんた』と言った。
そういえばバッテリーを直してくれている時も、この男に『あんた』と言われたような気がする。
男性からそんな風に呼ばれたのは初めてのことだ。些細な事だけれども、なんというか、ちょっといい響きだと思った。
とりあえず焼きとりの盛り合わせと、自分が食べたいサラダや他にいくつかを適当に頼む。
「あんた名前は? 俺はケイ」