狼を甘くするためのレシピ〜*
 生まれたてのアキの電話が鳴る。

 RR RR RR
「え!?」

 思わず声が出て、驚きのあまりスマートホンをテーブルの上に投げ出した。

 ケイからの返事は、返信ではなく電話で来たのである。

「どうして電話? メッセージ送ったんだからメッセージで返すでしょ普通」

 うそうそ、どうしようどうしようと、おたおたするうちに着信音は止まり、切れてしまった。

 ――切れた……。

 それはそれでがっかりするやら、ホッとするやらしているうちにまた電話が鳴る。

 意を決して、今度はスマートホンを手に取った。

 大きく息を吸い、思い切って通話ボタンを押す。

「もしもし?」

『よお、久しぶりだな。あれきりとは随分つれない女だと思ってたぜ』
< 86 / 277 >

この作品をシェア

pagetop