狼を甘くするためのレシピ〜*
「そうとも限らないだろう?
 普通にまた会いたいと思ったか。もしかするとその先も続いて、恋人になるってこともあるだろうし」

「なるほど」
 仁の答えを噛みしめるように、蘭々はゆっくりと頷く。

 その心はケイの心を想像している。
 恋人としての未来を彼は考えているのだろうか、と。

 仁は仁で、ある記憶が脳裏をかすめた。

 ――ん?

 ふと、浮かんだ友人の源径生(みなもと けい)の話。

『変わった女と出会ったよ』

『変わった女?』

『ああ、わざわざブサイクに見えるような化粧をする女』

『へえー、そりゃ変わってるな』

『だろ? 美人なことで嫌な思いをしたか、あるいは身元を隠したいのか』

『まあ普通に考えて、そのどっちかだろうな。で? いい女だったのか』

『ああ、とびっきりのいい女だよ。田舎で会ったけど、あれは洗練された都会の女だな』


 ――まさか、な。
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