グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~

 マロンディスとジュリアルが駆けつけてきて、驚いて声を上げると、ディアンナは目を座らせて振り向いた。

「パティーナどうしたの? 」


 ジュリアルがパティーナに駆け寄り、怪我をしている腕にハンカチを巻いた。

「全く、こんなところで遊んでいるから怪我するのよ。いつも言っているでしょう? 部屋から出てくるな! って」

 
 ジュリアルは威圧的なディアンナに、驚いた。


 傍で聞いていたマロンディスも、珍しく怒りを露わにした目をしてる。


「王妃様、お医者様呼びますか? それとも、病院に連れてゆきます? 」


 面倒な顔をして言うディアンナに、マロンディスはつかつかと歩み寄った。


「お前、どの面下げてそんな事言っているんだ! 」

 ん? と、マロンディスを見るディアンナ。

 ディアンナと目と目が合うと、マロンディスは驚いた目をした。


「何? 何か文句でもあるの? 怪我しているから、医者を呼ぶか、病院に連れてゆくか聞いているのに。どうして、そんな言われ方されなくちゃならないのかしら? 」

 フン! と、鼻で笑いを浮かべるディアンナ。


「・・・お前・・・。誰だ? 」

「はぁ? 」

 
 マロンディスは、ディアンナを見て誰なのか分からない顔をしている。


「お前誰なんだ? 」

「なに言っているの? 貴方、妻である私の事が判らないの? 」


「妻? 俺、お前と結婚なんかしていない! 何を言っているんだ! 」


「何を言っているって、それはこっちのセリフよ。貴方、6年も一緒にいるのに、何を言っているの? パティーナだっているじゃない! 私と貴女の子供よ! 」


 マロンディスはパティーナを見て、ゆっくりと歩み寄って行った。

 パティーナはマロンディスを見て、きょんとなった。


「パティーナ・・・。そうだ、お前は間違いなく俺の子供だ」


 きょんとした目を見開いて、パティーナは笑顔を浮かべた。

「お父さん・・・」

 怪我をしていないほうの手を、マロンディスに伸ばすパティーナ。

 マロンディスはその手を取ろうとした

 が・・・


 パチン!

 マロンディスが違づいた瞬間、パティーナはパチン! と、マロンディスの額を叩いた。


 
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