幸福論
「おっキタキタキターー!!」




と、その時いきなり彼が立ち上がる。
その手に持つ竿はかなり引っ張られていて。


魚が食いついたみたい。






「あんま引っ張らんといてぇー!」





なんて1人で騒ぐ彼が少しおかしくて。
話し方はどこか弟に似てる。


しばらく見ていると魚が上がってきた。


ずっとその様子を見ていた私に彼が気付き、
再び視線が交わる。


逸らそうとした時、






「あの!
写真撮ってくれませんか!?」






彼が私に話しかけた。





「写真....ですか?」

「そー!俺がこいつ持つから、
こう、真正面から何枚かお願いします!」






そう言うと
私に自分のスマホを渡してきた。
< 63 / 448 >

この作品をシェア

pagetop