大嫌いの裏側で恋をする
――17時。
定時を知らせるように鳴り響く時計のオルゴールの音。
その音に、こんなにも心臓が跳ねたこと、多分ない。
大きく息を吸い込んで、吐き出して。
勢いつけて立ち上がる。
目の前の人が、ビクっと驚いた顔を見せたからペコリと頭を下げてみるけど。
内心、それどころじゃない。
恥ずかしながら、私は本当に素直になることが苦手だ。
家族とも元カレたちとも、そうやってすれ違ってしまうことしかなかった。
でも、ダメだってわかってるから。
少しずつ、一歩ずつ。
高瀬さんのもとへ歩き出した私の足は、重いんだか軽いんだか、よくわからないけど。
軽いと、思い込め!