大嫌いの裏側で恋をする


「ゴメンね、朝一石川ちゃんに伝えるつもりだったんだけど。岩本課長からの電話のが早くて、見積もりについて聞かれちゃったからさ」
「え?」
「怒られた?」
「も、もちろんそりゃ、怒られ……て。や、それよりも、ご迷惑をかけてしまって……!」

ボーッとしてる場合じゃない。
慌てて頭を下げると、秋田さんが頭を撫でて。

「大丈夫。もう岩本課長に怒られたんでしょ?なら、俺からは何もないよ」

と、いつもの人を逆撫でするような物言いじゃなくて。
優しい声が降ってきた。

< 226 / 332 >

この作品をシェア

pagetop