大嫌いの裏側で恋をする




***


「ごめんねえ、車だから俺は飲まないけど石川ちゃんは飲んでいいよ」
「いえ、大丈夫です」
「俺、寒くなってくるとついつい車で出勤しちゃうんだよね」

秋田さんは、通話を終えてから驚くほどに早く来てくれて。
その事実に、相槌を打ちながら少し心が軽くなってた。

「ほら、そんな疲れた顔してないで食べようか」

連れて来てもらったイタリアンレストランは、友達と入ろうかなって気軽に来れる値段じゃないとこで。
遠慮してる間に秋田さんがアレコレ注文してくれた。
ローストビーフ、貝を蒸したようなもの、生ハムとチーズ。
そしてチキンのサラダ。
小さなピザなんかもある。

「食べきれますかね」
「疲れてる時は、たくさん食べようよ」
「確実に太りそうだけど、美味しそう……」

ニコニコ笑ってる秋田さんが言う。

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