大嫌いの裏側で恋をする

当たり前なんだけど、秋田さんに逃げたという私の言葉の意味をきっとわかって。
高瀬さんは、怒りをぶつけた。
そんな私を横目に高瀬さんは割と普通のテンションで、返してくれる。

「んー、いや、お前には怒ってねーよ」
「……え？」

いや、怒るでしょ。 怒りますよ、勝手だけど私なら。って思ってる間に高瀬さんの声は続く。

「アレコレややこしいのは後にしてまずひとつだけな」
「は、はい」
「お前が真剣にヤバい時、他の男頼らせた自分にキレてるし、あともちろん秋田さんにもキレてるけど」

またもや、え？ と、私が間抜けな声で聞き返すと痛いとさすってた手で頭を撫でてくる。

「秋田さんの行動は俺のせいだろが。俺が突っ走って余裕ねぇのを見せたから、秋田さんを動かした」
「突っ走って……って」
「おう、そーだ。俺はあの人に舐められてんの、それを分かった上で、嫉妬してお前を責めたろ」
「は？ 嫉妬？」