大嫌いの裏側で恋をする
でも、それでも、今日は心を抉られていく。
全身が重くなったように感じて、前を、上を見れなくなっていく。
「今回は多分回収できるだろうけど、金額や客によっちゃ会社潰しかねないんだよ」
「……はい」
「あんたは前の件もあるし、責任もってチェックするようにしなきゃ。今後全部無事に解決するだなんて限らないから」
重く回転の鈍い頭で頷くしかできない。
『前の件』
それは、きっと。
先付けの小切手を集金で契約しているお客さんが直接支払いに来てくれた時に受け取ってしまった件で。
その時も結局は吉川さんが経理部と話してくれたんだった。
私は、目先の仕事で精一杯どころか、それすらも疎かなんだ。
なにひとつ、成長してないじゃない。
「うん、謝るのは高瀬くんと、そっちの課長にだけでいい。私は同期のよしみと、石川ちゃんが好きだから付き合ってるだけだからね」
いつも一緒にはしゃいでる吉川さんは、その実とても仕事が出来る人だ。
「ありごとうございます、吉川さん」