大嫌いの裏側で恋をする
対して私はどうだろう。
威勢ばっかり良くて。
でも1人でできることなんて、たかが知れてる。
……こんなの、全然敵わない。
そう思って私は心の声を嘲笑う。
ううん、そもそも敵わないって、なんだ。
〝何に〟対してだ?
失恋して、さんざん悪態ついてた相手に慰めの言葉をもらって、浮ついた心で逃げて。
その逃げ込もうとした場所は、あんまりにも見える景色が違い過ぎたってこと。
思い知る、無力さ。
入り込めない空気、 押し潰されそうな心。
自然と声が小さくなっていく。
萎縮し固まっていく。
土壇場に弱いだとか、いざって時に何もできないとか。
全部、全部わかってる。私のダメなとこ。私の嫌いなとこ。
――そうだ、私は自分が、大嫌いなんだ。
だから、心が冷めていっても恋をしてるフリをした。
まるで、空虚な私の辻褄合わせをするように悠介と別れなかった。
グッと唇を噛みしめる。
好きだと認める前でよかった。
高瀬さんは、こんな私とは別世界の人だ。
例えばカフェで私と高瀬さんが並んで話していようと、吉川さんとのような噂は立たないんだろう。
そんな風に、世界は、隔たれている。