大嫌いの裏側で恋をする

「おい、石川、課長が呼んでるからちょっと来い」
「え!? わ、私???」
「そうだって言ってんだろ」

不機嫌な高瀬さんの声に、少しイラっとする。

「なんで突然喧嘩腰なんです?」
「普通だろ」
「どこが! ですか!!」

言い合ってると、可笑しそうに笑いながら吉川さんが耳打ちして。

「先トイレ行ってくるからね」

って。

あーあ、昼からちょっと抜けて歯磨きいこ。
なんて考えながら。
気持ちが沈んでく。

課長の呼び出しなんて、嫌な感じしかしない。
この間の請求書ミスの件?
それともその前の納期ミス?
ああ、それとも。
って、いくつも思いついてしまう怒られちゃいそうな出来事に唸っていると。

奥田さんが頭をポンポン優しく撫でる。
ああ、高瀬さんのわしゃわしゃ激しく撫でてくる感じと違いすぎて、思わずうっとり。

「あはは、多分怒ってなさそうだったから大丈夫だよ」
「あ、ありがとうございます」

って、奥田さんにお礼を言ってる途中で手首を掴まれて高瀬さんに引っ張られた。
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