大嫌いの裏側で恋をする


***


それから数週間。
営業課は全体的にバタバタと忙しくて。
吉川さんもベテラン勢として、本社の研修や説明会に行ってしまうことが多く私は1人黙々とお昼を食べる日々。

そして。
高瀬さんも、吉川さんと同じく本社へ行くことが多く。
会話も、仕事のことだけ。

忙しいことも相まって、
『あの日はごめんなさい』
と、言い出せる雰囲気さえ、なくて。

とか言って、言い訳も半分ってとこなんだけどね。

更に、『あの日』会った秋田さんはというと。
相変わらず会社の電話でナンパごっこされるくらい。
あの人の、気まぐれがなければ。
とか、思う心を一喝。

何にせよ、どこかで私は自分の性格と睨めっこしなくちゃいけなかったはずだし。

そんな感じで、いつのまにか秋は深まって。
朝晩は、さすがに冷え込むようになった

――10月。


燻っていた私の心に、嵐が訪れる。
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