大嫌いの裏側で恋をする
カツカツと、ヒールの音を響かせて。
課長の後ろを歩いてた、そんな美女が、フロアの1番前で立ち止まり私たちを見渡す。
そにて、ニコッと笑顔を作った。
「間宮香織です~、事務経験はないんですけど、頑張りまぁす! よろしくお願いしま~す」
何となく気の抜けてしまう、ゆったりとした口調での自己紹介。
しかし、私が、彼女を。
間宮香織さんを凝視したのには理由がある。
もちろん美人だ、可愛い、だとか。
男性陣と同じ気持ちで眺めたの半分。
……もう半分は。
(待って、絶対見たことある、この人最近見たことあるんだけど)
顔と名前は一致せずとも、人の顔を覚えることだけは得意な私。
「今日から、うちの課で働いてもらうから何か困ってたら面倒見てやれよ! 席はそうだな、高瀬の正面が空いてるか!?」と、課長が楽しそうに、大きな声を響かせていると。