大嫌いの裏側で恋をする
甘くて、可愛らしい、見た目のイメージのままの。
そんな声が課長の声を、かき消すようにして響いた。
「あ~やっぱり、俊平くん、じゃなかったぁ。高瀬さん、お久しぶりで~す」
課長の横を離れ、そのまま私の横を甘い匂いを漂わせて通り過ぎ。
……私の隣にいる人物の腕に、絡まりつく。
まさかの出来事に、私は眠さの残ってた目を大きく見開いた。
会社でこんなことをする人間が、リアルに存在したのか……
しかも、高瀬さん……
みんな小さな声でザワザワしては、いるんだけど。
とりあえず会話の行く先を見守ってる感じで。
「……あ?」
「まさかこんなに近くで働けるなんて~」
「ちょっと待て」
「派遣で紹介された時に~会社名見たことあるなぁって思って~」
「…………げ」
お前、誰だよ。
って顔してた高瀬さんだけど。
徐々に思い出してきたのか、驚いた顔をして間宮香織……さん、を見下ろした。
「ここにしてよかった! 香織だよ、でも会社では~間宮って呼んでね、えへへ」