『未成年』なんていらない
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教室にいなかったので理科室にいるのだろうと思って来たら、案の定閨川は理科室で実験をしていた。
ひなりは閨川から目を逸らしながら気まずそうに呼びかけた。

「せ、先生…」

「成瀬?どうした?」

いつもと変わらない態度でひなりに接する閨川。まるであの告白など無かったかのように。

「こ、これ…鬼丸先生が…」

ひなりは鬼丸から預かった教科書を閨川に差し出した。

「ああ、ありがとう。悪いな。」

閨川は教科書を受け取ると机の上に置き、再び実験に取り掛かった。
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