mimic
「見つけたのは私です」


さっきから、ここにいる社員たち同様、鳩が豆鉄砲を食らったみたいに口をぽかんとさせて成り行きを見守っていた千葉さんの背後から、ひょこっと顔を出したのは。


「星香……。車で待ってろって言ったのに」
「店舗の顧客管理の際、ホームセンター御一行様の御予約が入っているのを知りました」


億劫そうに溜め息を吐く海月に御構い無しにそう言うと、彼女はよどみのない口調で続けた。


「途端に血相変え、迎えに行くと言ってきかなかったので致し方なく。お騒がせして申し訳ありません」


彼女の話の内容が一字一句理解できないので、言葉の接ぎ穂がなかった。

わたしが目を見開いたままでいると、彼女は人形のように無表情のまま、とても美しい角度で一礼した。


「秘書の矢崎でございます。」


へ? 秘書……?
って……誰、の……。

という空気が、個室全体に広がったとき。


「ドリンクお待たせいたしましたー!」


追加の飲み物を持って入って来た店員さんがギョッとして、お盆をひっくり返しそうになった。なんかすごい、体が仰け反るくらい驚いて。


「しゃ、社長……! いらしてたんですか⁉︎ ご挨拶が遅れて申し訳ありません!」


すんでのところで落下を免れ、あくせくしながらテーブルに飲み物を並べると、今度は海月にぺこぺこと頭を下げた。

しゃ、社長……?
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