mimic
「今夜は手加減すんの、無理かも」


キスしながら、わたしの頬や耳の後ろや後頭部をまさぐる癖が、手で愛でられているようですごく好き。
眩しい太陽に目陰をさすために、睫毛を伏せるかのように、三日月みたいに目を細めるのもすごく好き。


「……んっ……ふ」


口づけを交わしながらジャケットを脱ぐと、海月は結び目を緩めてネクタイを外す。
シュッと布が摩擦する音にさえ、焦らされてるような感じがして、欲情してるわたしは相当ヤバい。

周到にボタンを外しながら、わたしへの愛撫の加減も緩めない隙のない作業に、ほんと手慣れてるなって、思う。


『あんなこと申し上げて、すみませんでした。兄にちゃんと仕事して欲しいばかりになんだか、余計なことまで口走ってしまい……』


別に、過去に妬いてるわけじゃないけど。
外見だけじゃなく仕事柄も、女子が放っておかないってのは明白だし。


「……ねえ、海月」


熱い吐息を織り交ぜて、わたしは声を振り絞った。


「こーゆうこと、誰とでもしない?」


すると、わたしをソファの上に組み敷き、シャツを脱いで裸になった海月がきょとんとした顔で言った。


「え? どしたの、小夏ちゃん」
「……」


答えに躊躇う。
信じてないわけじゃないの、ほんとうだよ? だって、ただのヤキモチだし。
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