mimic
立ち上がると眩暈がした。なにも食べてないし、まんじりともせずに夜を明かしたのだ。当然。
億劫で、体が重かった。
両腕ってただ胴にぶら下がってるだけでこんなに重いんだなぁって、どうでもいいことに気がついた。
わたしはシャワーを浴び、バイトに行くときのような適当な服に着替え、雨のなか家を出た。
千葉さんのように、今日シフトが入ってる皆さんは八時に閉店したら真っ直ぐ会場の居酒屋に向かうそう。
その一行と一緒なら、めんどくささも半減したかもしれないものの、休みの立場にとっては正直迷惑だった。けど。
ただ、家にいたってすることもないし、千葉さんをかなしませるのが申し訳なかったので、わたしはコンビニで買った透明の傘を差して歩いた。
時間を逆算する頭が働かなかった割には、みんなと同じくらいの時間に駅前の居酒屋に到着した。
前に働いてた大学からも近いから、感覚的に体が覚えていたのかもしれない。
「菅野さん、お休みのところわざわざ悪いね」
千葉さんや落合さんたち、それにほかの従業員たちと共にやってきた阿部店長が、居酒屋の前で傘を閉じたわたしに言った。
「いえ、とんでもないです」
歩いて来たので思いのほか疲れた声が出た。履き慣れないブーツは蒸れて足が痛い。
阿部店長は、わたしの嗄れた声が聞き取りづらかったのか、ん? と小首を傾げ、わたしの顔をじっくり見つめてきた。
なんだか、心中見透かそうとしているようで、居心地が悪い。
「菅野さん、私メールして正解だったでしょ?」
千葉さんがいたずらに笑いながら言う。
さすがに歓迎される当事者の阿部店長の真ん前で、忘れてたなんて正直に暴露できるはずもなく、わたしは曖昧に笑って誤魔化した。
億劫で、体が重かった。
両腕ってただ胴にぶら下がってるだけでこんなに重いんだなぁって、どうでもいいことに気がついた。
わたしはシャワーを浴び、バイトに行くときのような適当な服に着替え、雨のなか家を出た。
千葉さんのように、今日シフトが入ってる皆さんは八時に閉店したら真っ直ぐ会場の居酒屋に向かうそう。
その一行と一緒なら、めんどくささも半減したかもしれないものの、休みの立場にとっては正直迷惑だった。けど。
ただ、家にいたってすることもないし、千葉さんをかなしませるのが申し訳なかったので、わたしはコンビニで買った透明の傘を差して歩いた。
時間を逆算する頭が働かなかった割には、みんなと同じくらいの時間に駅前の居酒屋に到着した。
前に働いてた大学からも近いから、感覚的に体が覚えていたのかもしれない。
「菅野さん、お休みのところわざわざ悪いね」
千葉さんや落合さんたち、それにほかの従業員たちと共にやってきた阿部店長が、居酒屋の前で傘を閉じたわたしに言った。
「いえ、とんでもないです」
歩いて来たので思いのほか疲れた声が出た。履き慣れないブーツは蒸れて足が痛い。
阿部店長は、わたしの嗄れた声が聞き取りづらかったのか、ん? と小首を傾げ、わたしの顔をじっくり見つめてきた。
なんだか、心中見透かそうとしているようで、居心地が悪い。
「菅野さん、私メールして正解だったでしょ?」
千葉さんがいたずらに笑いながら言う。
さすがに歓迎される当事者の阿部店長の真ん前で、忘れてたなんて正直に暴露できるはずもなく、わたしは曖昧に笑って誤魔化した。