夏のソラの雪
「真雪のお守りの為に自分の四年間差し出したワケないでしょ」



お守り……なんて聞いたら真雪も愛与も怒るだろな。




なんて一瞬、考えてるうちに、




「わたしだって……一緒に居たい人が居るんだから」





ポツリと呟いた知海の顔が、ピンク色に染まった。




強気な知海の弱気な表情……。




あぁ、そっか。




なんだ、俺……好きなんじゃん。

知海のこと。





「俺も、怒るかも……。知海が他の男と仲良くしてたら」




やっと自覚したのに、なんでこんな気の利かない告白なんだよ……。




「……そっち行って良い?」




「えっ?」




俺の答えを聞くより早く、




知海はレポートもほったらかしで、さっき真雪が座っていた場所に腰を下ろした。





「やっぱりこっちのが良いね」




座るなり、俺の左側に体重を掛けた知海が瞳を閉じる。





「元カノの妹じゃなくて……彼女ってのはダメ?」





膝の上に乗せられた左手に重なる右手を、




「……ダメじゃない」




俺はギュッと、握り締めた。





-FIin-
< 102 / 102 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:11

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

庭師とお姫様 (naturally番外編)

総文字数/25,234

恋愛(純愛)70ページ

表紙を見る
『natural source』(naturally番外編)

総文字数/46,879

恋愛(純愛)95ページ

表紙を見る
『naturally』

総文字数/26,291

恋愛(その他)58ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop