夏のソラの雪
ますます訝しむ俺に、




「愛与っ!! 顔洗って出直して来いっ!!」




ちっさい唇を精一杯大きく開けた彼女が突然声をあげた。




このセリフって言ったら……昨日コーチに言われたセリフだ。




つーか、なんで知ってるんだ?





面食らって口を開けてたら、





「放課後、いつもここから見てるの。サッカー部の練習」




真っ白い頬を紅く染めた彼女が、ビー玉みたいに透き通った瞳で俺を見つめていた。





新手の誘い方?




それとも純粋に俺に憧れてんのか?





どっちにしろ、





美味しくいただくんで、




「んじゃあさ……せっかくだから交換する?」




なるべく爽やかに笑って、




『セフレ』のメモリーを呼び出したケイタイを彼女に向けた。




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