夏のソラの雪
二限目休講の貼り紙を見て、
適当に食堂で時間を潰していた。
正面には、レポートをまとめる知海がテーブルの上でペンを走らせている。
何組かの女子たちが端っこの方で談笑してるだけで、
さすがに二限目から何か食ってる奴も居ない。
一緒に居るのに何にも言葉を交わさない知海も、それはそれで落ち着く。
差し込む日差しもちょうど良くて、居心地が良い。
穏やかな空気だなぁ……。
頬杖ついて、不意に窓の外に目を向ければ、
「……あっ」
ガラス越しに、何やら言い合いをする……見慣れた顔があった。
並んで歩いていた二人は、
俺と目が合うなり……早足でこちらに向かってきて、
「ねぇ! 泰希は知海のこと好きっ?」
勢い良くテーブルについた真雪が、俺に詰め寄って問い掛けてくる。
唐突にされた質問に、俺も知海もただ唖然と顔を見合わせるばかり。
「だから……やめろって言ってんだろ」
呆れたように真雪を見下ろしてため息をついてる愛与に、
「愛与は黙っててよっ」
真雪は唇を尖らせた。