夏のソラの雪
「何の話よっ」




一人拗ねたようにふくれっ面をしてる真雪に、




知海は握っていたペンを置いて、めんどくさそうに尋ねている。




「あのね、泰希と知海が両想いなら……わたしたちがくっつけてあげよって愛与に言ったの。そしたらっ」




「余計なお世話だからやめろって言ったんだよっ」




呆れ顔の愛与がまた、深いため息をついた。




それが真雪はますます気に入らないらしく、




「愛与ヒドいでしょっ? 冷たいよねぇ? ねぇ泰希?」




隣に座っていた俺に泣きついてくるワケだ。




なんつーか……、




そんなことしたら愛与が……、




「怒るわよ。離れなさい」




そうそう。



愛与が怒るから……。




知海の言い放った一言で、




「うっせぇよ。怒ってんのはおまえの方だろっ」




真雪を自分の方へと引き寄せた愛与と何故か、知海が睨み合っている。





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