冷徹騎士団長の淑女教育
そんな娘を、ハワードはブラウンの瞳を細めながらじっと見つめる。

「見かけだけでない。所作も佇まいも美しい娘だ。アイヴァンは、君を泣かせたりはしなかったか? あの男のことだ、ときに手厳しいこともあっただろう」

「いいえ」

クレアは、緩やかに微笑んだ。

「とても頼もしいお方でした。彼のおかげで、今の私がいます」

真っすぐに前を見つめ、涼やかな声で言い放つクレアを、ハワードは何かを思い含んだような眼差しで見ていた。

だがやがて「そうか」と静かに頷く。

「やはり、私の目に狂いはなかった。あの男に君の身を任せて正解だったな」
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