冷徹騎士団長の淑女教育
それは、雲行きの怪しい夕方のことだった。
その日も夕方になってクレアのもとに来たアイヴァンは、クレアの宿題を見るなり眉をしかめた。
「綴りが二ヶ所間違っている。全てやり直しだ」
冷たく言われ、ぎっしりと文字を連ねた羊皮紙を、放るようにデスクに置かれる。
クレアが一日の大半を費やし、アイヴァンに指示された書物を模写したものだった。
さすがのクレアも、これには我慢がならなかった。
唇を引き結び、アイヴァンを睨みつける。
そんなクレアのささやかな反抗を目の当たりにして、アイヴァンは片眉を吊り上げた。
「なんだ? 言いたいことがありそうだな」
「……アイヴァン様は、どうしてそうまでして私をいじめるのですか……?」
「いじめる? 君は、俺にいじめられているように感じているのか?」
フッと、あざ笑うようにアイヴァンが口角を上げる。
「考えが子供だな」
「まだ、子供でございます……」
「そうだったか。あいにく、俺は子供が苦手でね。理解する気もない」
冷淡な笑みを浮かべ、クレアを見据えるアイヴァン。
「それなら、どうして私を連れ帰ったりしたのですか?」
「……深い意味はない」
あまりにもあっさりとした返答に、クレアはいたたまれなくなる。やはり、アイヴァンがクレアを拾ったのは気まぐれだったのだ。そしてクレアがあまりにも醜く教養がないから、嫌気がさして冷たく接しているのだろう。
その日も夕方になってクレアのもとに来たアイヴァンは、クレアの宿題を見るなり眉をしかめた。
「綴りが二ヶ所間違っている。全てやり直しだ」
冷たく言われ、ぎっしりと文字を連ねた羊皮紙を、放るようにデスクに置かれる。
クレアが一日の大半を費やし、アイヴァンに指示された書物を模写したものだった。
さすがのクレアも、これには我慢がならなかった。
唇を引き結び、アイヴァンを睨みつける。
そんなクレアのささやかな反抗を目の当たりにして、アイヴァンは片眉を吊り上げた。
「なんだ? 言いたいことがありそうだな」
「……アイヴァン様は、どうしてそうまでして私をいじめるのですか……?」
「いじめる? 君は、俺にいじめられているように感じているのか?」
フッと、あざ笑うようにアイヴァンが口角を上げる。
「考えが子供だな」
「まだ、子供でございます……」
「そうだったか。あいにく、俺は子供が苦手でね。理解する気もない」
冷淡な笑みを浮かべ、クレアを見据えるアイヴァン。
「それなら、どうして私を連れ帰ったりしたのですか?」
「……深い意味はない」
あまりにもあっさりとした返答に、クレアはいたたまれなくなる。やはり、アイヴァンがクレアを拾ったのは気まぐれだったのだ。そしてクレアがあまりにも醜く教養がないから、嫌気がさして冷たく接しているのだろう。