君等の遺した最後の手紙は。(仮)
「…さてと。事情は手当しながらゆっくり聞くとしようかしらね。お姉ちゃんの方も出てらっしゃい?」
そう言ったかと思うと、ベッド室と手当場所の仕切りの向こうからひょっこりお姉ちゃんが出てきた。

「あはは、コケたじゃ誤魔化せなかったや」
「同じ手口使ってるし…」
「ほら…なんかあったのね、姉妹揃って同じとこに怪我しちゃって…」
ここはもう笑うしかない。

「どうする?話しちゃう?」
「どうしよっか。真人と初優に怒られないかな?」
「話したことがバレたら怒られるよね…」

わざとのように先生の前で話す。

「いいわよ。先生は誰にも言わない、絶対に。ほかの先生にも、あなた達を知らない私の友達にも、絶対絶対言わないから、教えてくれない?あなた達の秘密。」

ここまで言うなら…
お姉ちゃんの方に視線をやる。目が合う。頷いて、頷かれる。
この人なら大丈夫だと私の心は言っている。

「「実はっ」」
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