君等の遺した最後の手紙は。(仮)
それから今まで受けてきた虐待についてを全て話した。
母親、初優の不倫。父親、真人の暴力・威圧。
親を肉親だと思ったことがないということ
熱があっても保育園に行かされたこと
なんで生まれてきたのかわかんなくて死にたくなったこと
だけど姉妹でずっと一緒だったからなんとか今があること

涙に溺れながらも、必死に、今までのことを全部話した。
先生も涙ぐみながら
「くるしかったよね、つらかったよね」
そう私たちのことを認めてくれた。

褒められたことなんてほとんどない私たちだからその言葉にさらに涙が溢れて止まらなくなった。

先生に話したところでなにかがかわるわけじゃない。
それでも。それでも、ただ、自分の話を否定することなく聞いてくれて、自分を認めてもらう事がこんなにも嬉しくて、こんなにも幸せな事だったなんて…

そして生まれてきてはじめて、心の底から
『生きてて良かった』

そう思えた気がした。
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