君等の遺した最後の手紙は。(仮)
体育会(前編)

つめたいひと


「みゆう、どうしたの?さっきの時間保健室行ったっきり帰ってこなかったけど…?」
どう言い訳しようか迷う。
「えっとね、先にお姉ちゃんが何故か来てたみたいで、先生と色々話しててなんか妙に盛り上がっちゃって気づいたら1時間目終わっちゃっててさ」
「まじで〜?さすが未侑ちゃん、天然だねぇ」
愛桜依ちゃんから合いの手が入る。よかった、信じて貰えたみたい。
「あ、そういえば今日2時間目の社会と5時間目の学活入れ替わるんだってー、体育会の話するみたい。」
「嘘…まじか…」

一難去ってまた一難とはこういうことか。
今の今まですっかり忘れていた、体育会実行委員にならされたんだった…

はぁ、と机の上に腕を伸ばし、ぺしゃっと突っ伏す。手元の腕時計を見ると、ほぼ始業時間で、あと数十秒でチャイムがなるらしい。

ーー25……10… 3 2 1 鳴るっ
・・・鳴らない。どうやら1分、時間がズレているらしい。
ちぇっと拗ねながら再び突っ伏す。

心の中でちくたく数え、今度こそちゃんと校舎中に鳴り響く。
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