君等の遺した最後の手紙は。(仮)
あーあ、嫌な2時間目が始まっちゃった。
本当は5時間目のはずだったのに…

がらっと担任の村下先生が教室のドアを開け、教壇に立つ。
その凛とした佇まいにぽっと見とれてしまいそうになる。
日直の挨拶の後、すぐに村下先生が口を開く。

「さて今日は昨日決めた体育会実行委員さんに従って色々話し合っていきましょう。林田くん、昨日の会議で貰ったプリントを参考に進行お願いね、女子は江川さん。よろしくね?」
「はい」
疑問形ではあるも有無を言わさぬ口調。少し悔しい。

「では前で。よろしくね〜」
先生が教壇を降り、今日欠席の人の席を借りて座る。

ここで足掻いてもしょうがない。諦めて教壇へ向かう。
「はい、これ。昨日の実行委員会でのプリント」
「あ、ありがとう」
部活以外であまり話す機会がないから緊張し、ぎこちなくなる。
「今日は司会するから、黒板書いて」
「あ、うん、ありがと」
「ん。」
冷たい。でも優しい。

「まずは、体育会のスローガンなんですがーー」

林田くんの進行は思っていたよりずっとスムーズで、クラスの人も乗ってきていた。ただ気になるのは林田くんがやけに塩っぽいこと。

こいつやる気あるのか?
そう思わせる風貌と言葉遣いだ。


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