君等の遺した最後の手紙は。(仮)

ふたりのり。


ポスターが完成したのは1時間後の7時15分だった。
完全下校まで15分しかない。この時期はもうとっくに部活も終わっている。

正門の前、空を仰ぎ見るとすっぽり藍に包まれ、星が煌めいている。
「…やばー…めっちゃ暗いじゃん…」
「それな。お前チャリ?電車?」
そっか。なんか未侑と呼ばれることに違和感があるなと思っていたらいつもはお前で済まされてたんだ。あースッキリ。
「電車。」
「まじか…道暗いし駅までチャリ乗っけてく。そこ居て。」
「えっ? えっ??」
いやいいよ!申し訳ないし!と断る余裕もなく駐輪所へ向かってしまう。
拒否権はないらしい。
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