君等の遺した最後の手紙は。(仮)
あぁ、駅に着いてしまう。
「ん、着いたけど?」
「あ、ありがとねっ!送ってくれて!林田くんって優しんだねっ」
彼の顔が少し火照ったように紅くなる。
「…希翔でいいから。林田って呼びずらいだろ?」
「あ、うん、そうする!ありがとね、希翔くん!」
改めて言うとなんだか照れる。
「お、おぅ…」
希翔君の声も最後は消え入りそうになっている。

「ほ、ほら時間!電車くるぞ!」
ぱっと腕時計に視線を落とす。やばい。あと2分だ。
「ほんとだ!ありがとっ!じゃあまた明日ね!!」
そう言い残して、急いで乗り口へ向かう。

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