君等の遺した最後の手紙は。(仮)

オレンジキャンディー

週明けの朝、教室に着くと「何か」が変わっていた。
誰かがグレたとか髪染めしたとかそういうわかりやすい事ではなくてなんというか…雰囲気…?

その原因は直ぐにわかった。
昨日1番よく聞いたかもしれない希翔君の声がよく響くようになっていたのだ。昨日まで塞いでいた彼が積極的に色んな人に話しかけている。

「あ、未侑おはよ、ねぇ林田くんどうしちゃったんだろ、1日でめっちゃ変わっちゃったよ?」
晴華が朝からお昼のテンションで話しかけてくる。それに連れて愛桜依ちゃんや綾花ちゃんが私の席へ近ずいてくる。
「おはよ〜 ……さ、さぁ…」
「…なんかしってるな?」
愛桜依ちゃんの疑い深い声。さすが鋭い。だけどなんだか秘密にしておいてあげたかったし私自身、彼の秘密を独り占めしたいような気がする。
「あはは…」
「おう未侑、おはよ。」
どきんとする。いつもより甘めの声。
「あ、希翔君お、おはよ」
初恋ーー そのワードが頭を過り、意識してしまって吃る。
半径1メートル以内に居る友達にガン見される。
「みゆう、顔赤いよ…?」
晴華ちゃんから指摘され顔を手で覆う
「な、なにがあったぁぁぁ!!!」
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