君等の遺した最後の手紙は。(仮)
結局私は昨日のことを掻い摘んで説明することにした。
勿論「みゆ」さんの話は秘密で。話の主旨は初恋についてのこと。綾花ちゃん、晴華ちゃん、愛桜依ちゃんや梨雛ちゃんら5人に向けて頬をばら色に染めつつ話をする。時折 きゃー!という歓声が入るが無視して話し続ける。無視というか照れの所為なんだけど。
「ついにみゆうが初恋かぁ…大きくなったねぇ…」
おばあちゃんみたく杏音ちゃんから感嘆の声が上がる
「「誰目線!?」」
思わずツッコミを入れると綾花ちゃんとまさかのハモる。2人そっと顔を見合せ、肩を竦ませ、クスッと笑う。

恋愛系の話は女子の中でよく盛り上がる。だから恋とか愛とか初恋とかそういう類の話は必須。
こういうネタを話すことによってきちんとクラスのグループに所属出来る。

恋愛ネタ、めっちゃ大事。

「…だからさ…意識しちゃうわけよ。恋なんて初めてでさ、どうしたらいいかわかんないんだよね…」
「そっかー…とりあえず今まで通り接すべきじゃない?」
「うーん、私もそう思うな。体育会終わるまで、一緒なんだから関係悪くなっちゃったら…ね。前見たく戻っちゃうよ」

うーん。今の希翔君の方がダンゼン格好良いし、優しくていい人だけど、そんな希翔君のことを秘密にしておきたかったような気もする。
うむ…乙女心は複雑だ。処理するにも大きすぎて手に負えない。
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