君等の遺した最後の手紙は。(仮)
夏休み

決意

希翔くんのことを好きになって大体1ヶ月。
夏休みの始まりを明日に控え、浮かれた空気の中日々を平穏に過ごしていた。希翔くんと一緒に実行委員の仕事をしてときめいたり、友達ときゃっきゃやってはしゃいだり。この1学期間、あっという間で楽しかった。華穂がいなくなって、寂寥感に包まれてたのに気づけばこんな風に恋なんてしてしまってる。

その場にいない人なんて死んだも同然 なんて言葉があるけど本当にその通り。居ない人間は簡単に記憶から消し去られてしまう。

ーーあぁ、夏休みになるというのになんでこんなにしんみりしてるんだろう。

もういい。華穂のことは忘れてしまおう。切り捨てるわけじゃない。ただ、夕闇に包まれた記憶を夜空に溶かすだけ。自然の摂理だ。それと同じように忘れていく。

ただ…それだけだから……
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