約束~悲しみの先にある景色~
あれから、約2週間程経った。


あの日以来、トユンさんはあからさまに私と話すのを避ける…というか、私からある単語を聞きたくないかの様に行動している気がする。


もちろん、朝の会話や夜に彼が帰宅した後の会話は健在だし、彼はいつもの様に幸せそうに笑っているけれど、多分彼は、私の口から“妹”や“サラちゃん”“ユナちゃん”と言った単語を聞きたくないのだと思う。


とは言ってもやはり気になるから、少し前にトユンさんではなくてキムさんにオブラートに包みながら尋ねてみた事があるのだけれど。


『あの、トユンさんには2人の妹さんが居るんですか?』


『あー、……居るよ。でも、詳しい事はトユン本人から聞いた方が良いと思うよ』


と、何となくはぐらかされてしまった。


ちなみに、私は未だに夜きちんと寝ていない。



「んー………」


少し前のキムさんとの話を思い出しながら、私は“新南山”という名前の駅であるお店を探しながら歩いていた。


何故遠出をしているかと言うと、今日は2月13日の放課後で、部活は無いから。


そして明日は、バレンタインデーだから。


学校の友達にはチョコレート等の定番のお菓子をあげようと思うけれど、家族ー特にトユンさんーには一味違ったお菓子をプレゼントしたくて。
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