迷子のシンデレラ
「私は……私は家族が欲しくて。
妊娠が分かった時は本当に嬉しかったんです。
けれど同時に怖かった」
「どうして?」
智美は息をついてから続きを話した。
「葉山さんが喜んでくれるとは思えなくて。
まず、葉山さんに自分がシャーロットだって信じてもらって、それからその時に赤ちゃんが……なんて、どう話せば信じてもらえるか……」
「うん。うん。そうだよね。ごめん」
葉山は本当にすまなそうにこうべを垂れた。
「ううん。私も意気地が無かったんです。
それで逃げてしまった」
二人の間に沈黙が流れて、過ぎた時間に思い馳せた。
そして、その沈黙を破ったのは葉山だった。
「ごめん。何度謝っても足りないよ。
こんな小さな体で……琉依を産んでくれてありがとう」
「そんな……これは私の身勝手な自己満足というか……」
再び流れる涙に葉山はキスをする。
「うん。朝岡さんに聞いたよ。
でも、その理由を智美ちゃん本人の口から聞きたいな」
優しく諭すように言う葉山に智美は詰まりながらも思いを伝えた。