迷子のシンデレラ

 確かにおかしいとは思った。
 遊び慣れているはずの葉山。
 その彼が遊び相手を妊娠させるなんて不手際を起こすだろうか。と。

 けれど、それもただ知らないだけで、お金にモノを言わせて揉消すことも可能だという考えに行き着いて、それ以上深く考えることはなかった。

 その考えを根底から覆すことを葉山は口にする。

「避妊しなかった。
 そうして、そうまでしてシャーロットとの繋がりを持っていたかった。
 ごめんね。そのせいで君にはたくさん悩ませてしまったよね」

 涙がひとすじ流れて頬を濡らす。
 この涙がなんの涙なのか自分でも分からない。

 一夜の過ち。
 そう思っていた。

 過ちでは、なかった。
 少なくとも彼の中では。

「妊娠さえすれば彼女の方から名乗り出てきてくれると……甘い考えだったよ。
 僕が思い描く女性像からかけ離れた君だったから惹かれたのに、そこに気付けなかった。
 今思えば智美ちゃんのような子が妊娠したからって訴えてコンタクトを取ってきたり結婚を迫ってくるわけがないんだ」

 彼の考えを聞いて、智美自身も自分が何を考えていたのか、葉山に伝える。

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