迷子のシンデレラ
「女性物のチェーンをしていては勘違いされてしまうのではないですか?」
これから大切な婚約者の人とそういう関係になった時に首元から女性物のチェーンが見えてしまったら、あらぬ誤解を受けるのではないだろうか。
彼がそんなヘマをするわけがないか……と馬鹿な想像を振り払う。
ただの想像なのに、彼が誰かとそういう関係になることを思うだけで胸が張り裂けるように痛くなった。
こんなに彼のことを……。
ううん。だからって私です。とは名乗り出られない。
彼は智美の気持ちを知る由もなく、シャーロットへの思いを吐露した。
「どうせならガラスの靴みたいに彼女を探せる手がかりだと良かったのにね」
彼なら世界中の女性を並べて順番にガラスの靴を履かせてみせるくらいやってしまいそうだ。
「女性物のチェーンが見えても、ただ一人に誤解されなければいい」
誤解しない人物、それはシャーロット?
そこまでシャーロットを……。