愛しい君を殺したのは誰?
一息つくこともせず、僕は迷わず、図書館に向かった。

図書館と言っても、こんな田舎だ、小さな建物に町の皆が寄付した様々な本を置いていて、貸し出している。

ここで良く絵本を読んだ。

中学、高校の時は奏と一緒に勉強した。

東京の大学に合格するため、僕らは必死だったから。

ここで、いわゆる司書をしていた婦人を訪ねようと思った。

果たしてまだいるだろうか。

居てくれたとしたら、何か奏のこと、聞きだせると思ったんだ。

なぜなら、彼女は奏の隣人だったから。

家族ぐるみの付き合いをしていたようだし。

着いた…

全然変わってないな…

あちこち古くはなっているけど…

懐かしい。

扉を開けて中に入る。

貸し出しカウンターに視線を向けたら、そこには懐かしい、その人が座っていた。

『おはようございます』

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