愛しい君を殺したのは誰?
変わってゆく君
『おかえり、ご飯出来てるよ』

いつもの優しい奏だ。

ホッとした…

着替えて、僕は食卓についた。

奏は、ご飯を用意しながら、淡々と笑顔で聞いてきたんだ。

『ねえ、隼人。今日…どこに行ってたの?』

少し暗い、低い声のように聞こえる…

『ど、どうして?仕事だよ』

奏の顔が、急に曇った。

『…どうして、嘘をつくの…』

『奏…』

『今日、私、会社に行ったの、隼人を迎えに。そしたら、今日は休みだって…』

会社に行ったのか!?

どうやって言い訳したらいいのか、僕にはわからなかった。

昨日、浮気を疑われたばかりの状況で…

本当のことも言えないまま、僕はだんだん変わってゆく奏を、ただ見ていることしか出来なかった。

『隼人は…私を大事にしてくれるって言ったよね…ずっと昔から、私のことをとても大事にしてくれてたのに…私のこと、嫌いになったの』

地に響くような、とても低い声。

一体、どうしたって言うんだ…

奏は、僕にゆっくりと歩みを寄せて来た。

ジリジリと…

僕は、つい、後ずさりしてしまった。

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