愛しい君を殺したのは誰?
そっか…

君は、きっと…

絵本の中に行ってしまったんだね。

それなら、僕も早くここから出て、君と同じ絵本の世界に行きたいよ…

その時、初めて、本物の王子様とお姫様になれるね。

あのキラキラ綺麗に光って流れる川の浅瀬で、夕日を見つめながら、毎日読んだ絵本の王子様とお姫様に…

本当に…ちょっと長かったよ。

いろんなことがあり過ぎたよ。

でも、時間はかかったけど…

僕のことを、とてつもない恐怖から救い出してくれた優しい君と、これからはずっとずっと一緒にいられるんだね。

本当に…嬉しい。

僕は、涙で真っ赤になった目を開けて、布団に潜り込んだ。

留置場の布団はとても冷たかったけど、僕の心は温かかった。

だって、奏と…僕の両親に、もうすぐ会える。

奏…

僕の大切なお姫様。

愛してるよ…

待っててね。



< 58 / 58 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
表紙を見る
表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop