愛しい君を殺したのは誰?
奏と歩く街並みは、クリスマスのイルミネーションでキラキラしていた。

手を繋ぐこともない、腕を組んで歩くことも...

白い息が、サラサラした透明な空気の中に、浮かんでは消えた。

街のにぎやかさが嘘みたいに、僕の周りだけ、恐ろしいほどの静寂に包まれてる。

奏の声さえも聞こえない...

『...と、隼人、聞いてる?』

奏が僕の肩を叩いた瞬間、僕の静寂が弾け飛んだ。

『何?』

『何じゃないわ、隼人って、時々時計の針が止まったみたいになるね、昔からだけど』

そうかな...





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